「高光の榭(うてな)に休息して宏池に臨む」とは、後漢の碩学馬融の文にある句でありますが、自得するところあつて動ぜず、綽々たる余裕あるを示す好い句であります。
池田勇人氏は、わが政界における特色ある存在として、広く、国の内外にわたり、好むと好まざるとを問わず、その行蔵に興味と期待をかけられている人であります。
その鋭い政治的間隔と強靭な実践力については、すでに定評がありますが、その気節を重んじて友誼に厚いことは、往々にして露出するその傲骨と共に、大きい魅力となつて、国民一般からも意外なほど敬愛を受けて居ります。
時局の前途多難の折柄、われわれ同志は、ここに相図って、同氏の政治的使命を遺憾なからしめるため、「宏池会」なる政治結社を結成いたしました。
そして、広く大方の御協力を得て、同氏の活動が一層その意義と権威とを発揮して、祖国と世界に貢献できますように念願する次第であります。
何卒この上とも御鞭撻をお願申上げます。
昭和32年6月
1957昭和32年 |
|
---|---|
1960昭和 35年 |
|
1964昭和39年 |
|
1965昭和40年 |
|
1971昭和46年 |
|
1978昭和 53年 |
|
1980昭和 55年 |
|
1987昭和62年 |
|
1991平成3年 |
|
1998平成10年 |
|
2001平成13年 |
|
2006平成18年 |
|
2012平成24年 |
|
2017平成29年 |
|
2021令和3年 |
|
~よりよきバランスをめざして~
国民の多様な声、異なる意見にも丁寧に耳を傾けるボトムアップの政治を行うとともに、国民目線にたって霞が関の見える化・デジタル化を徹底し効率的で開かれた行政を実現する。
地域の中小企業に対する大企業・東京からの人材供給の円滑化や下請事業者を含むサプライチェーン内での付加価値の適正な配分、地域住民の生活に必要不可欠な小規模事業者に対する面的支援を充実する。併せて、長期的視野に立ったインフラ整備、地域を支える農林水産業の徹底支援など、人・モノ・資金が地域で還流する仕組みを作る。
「20年学び、40年働き、20年休む」戦後の画一的人生モデルから、自律した個人による人生100年時代に相応しい多様な人生設計を前提とした制度づくり。人口減少社会にむけて、AIやIoT が大きな可能性を秘めていることを踏まえ「一億総クリエイティブ社会」を実現する。また、人種・国籍・性別・障害・性的指向(LGBT)に捉われず、ありのままに生きられる社会作りを推進する。
「過剰サービス・低価格競争」から脱却し、「高付加価値モデル」による持続可能な経済システムの構築。チルドレンファーストに基づく抜本的少子化対策、受益と負担のバランスのとれた医療介護の実現。また、世界をリードする低炭素社会を目指す。
また、 環境・人口減少など共通課題に対応する日中韓による「東アジアプラットフォーム」の構築、核軍縮、感染症対策などグローバル課題の解決を我が国が先導する外交を推進することにより、平和・民主主義・人権・発展をリードしていく役割を果たす。
Activities
-活動-
昨年、宏池会は60周年を迎えました。
我々は、戦前のひと時、抑圧された重苦しい空気に支配され、不幸な歴史を経験しました。その反省の上にたって、宏池会は、60年前に、多様性に富み、柔軟で自由闊達にものを言える、まさにリベラルな社会作りを目指す集団としてスタートしました。
私どもは、権力が持つ怖さを肝に銘じながら、一貫して権力に謙虚に向き合ってきました。そして、単に「権力」の奪取を求めるのではなく、「我が国にとって何が今大切か」、「全体最適は何か」、徹底した現実主義と共に、「低姿勢、高姿勢」のいずれでもなく「正姿勢」を胸に歩んで参りました。
そして今、我々は大いなる挑戦の中にいます。2020年の東京オリンピック・パラリンピック後には、「人生100年時代」が現実のものとなり、「第4次産業革命」が実際に我々の生活を大きく変え始めます。更には、経済のみならず食料確保やエネルギー確保など、国際社会での競争は熾烈を極めていきます。
そうした現実を直視し、新しい「この国のかたち」を作り上げていく。そのために、宏池会では、
「トップダウンからボトムアップへ」、「対症療法から持続可能性へ」、「自律した個人、個性・多様性を尊重する社会へ」、をキーワードに政策を磨いてまいります。
同時に、「政策実現の為に、政局を戦い抜く能力」を鍛え上げ、国民のご期待に応えて参ります。引き続きのご指導、ご支援賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
平成30年4月
宏池会会長 岸田 文雄